毛辺紙・黄紙・迷信紙

毛辺紙・黄紙・迷信紙

福建省長汀県 漢族・客家族

                           長瀬香織

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製造工程

調査日 2009.5.17-18

 現地調査で訪れた福建省長汀県は,紙漉きで栄えた地域である。ここでは竹を原料とした紙の製造工程を調査することができた。
 日本では、竹を原料とした紙を見かけることはほとんどないが、中国において竹の紙は書写材料をはじめとして様々な用途に使用されてきた。書写材料としては「連史紙(れんしし)」「毛辺紙(もうぺんし)」「元書紙(げんしょし)」「玉扣紙(ぎょくこうし)」 とよばれるものが市場に出回り売られている。また寺で祖先供養のために燃やされることを目的とした紙も、古くから手漉きで漉かれてた。そういった紙は「火紙(かし)」「迷信紙(めいしんし)」、それから「銭紙(ぜにがみ)」とよばれている。また焼く紙と書いて烧(shao1)纸(zhi3)と呼ばれることもある。
 そして、現在ではあまり使用しなくなったが、以前はトイレットペーパーや赤ちゃんのおしめなどの生活用紙として、人々の生活に無くてはならないものであった。

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原料の竹である。竹はまだ葉の生えていない若竹を選ぶ。竹が若すぎると繊維の量が少なく、また成長しすぎると硬くなり、造紙に適さない。


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切りそろえた竹は、40日から60日間、石灰水に漬ける。
竹を石灰に漬けている間は、例え1年間放置していたとしても腐ることはない。その後、発酵、煮熟などの工程がある。

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紙は染料で黄色くそめられている。抄紙は二人で行う(ページ最初の写真)。二人で息を合わせものすごいスピードで漉いていく。一枚を漉く時間は7-8秒と大変早く現地調査を行なった中で一番のスピードであった。一日に漉く枚数は2000枚以上である。その後、圧搾をし、松の葉でできた刷毛を使い鉄板乾燥する。