白皮紙(はくひし)貴州省苗(ミャオ)族

白皮紙(はくひし)

貴州省苗(ミャオ)族

                           長瀬香織

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製造工程

調査日 2009.2.11

 現地調査を行った丹寨(たんさい)县石桥村は、貴州省黔东南苗族侗(とん)族自治州にある。石橋村へは貴陽からバスに乗り、凱里(かいり)で乗り換え、その後、丹寨へ行き、そこから南臬(nan2gao1)行き、また乗り合いバスに乗り換え、到着まで合計5時間程かかった。
 丹寨県は省都である貴陽の東側に位置しており、少数民族がその30%を占める。村には2004年当時の情報で250の家族が生活し、人口は1100余である。
 この地での調査で一番困ったのは言葉である。紙を漉く多くは年配の方であり、彼らは苗族の言語である苗語しか話せないからである。その為、近くにいた若者に協力してもらい、調査を行うことになった。
 上記の写真は、老夫婦が繊維の中の不要物を取り除いているところである。右の老人は以前まで紙漉きをしていたが今は引退したそということであった。
 苗族は文字を持たない為、その伝統技術は父親または師匠から直接言葉でもって受け継がれてきたようだ。その為、詳しい造紙技術の伝承年代は分からない。

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原料は楮である。この漉き場は村に入る入口にあり、紙を漉いていると向かい側の川を望むことができ、大変いい景色の中で紙漉きをしていた。
ネリは岩杉樹という植物の根や、ノリウツギや野生の綿の根を使用していた。


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乾燥をしているところである。壁は鉄板ではなくコンクリートのようなものでできていた。表面はかなりつるつるとしている。

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紙の乾燥の拡大写真である。特徴的なことは紙を一枚ずつずらしながら重ねて壁に貼り付けていくところであろう。

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完成した紙である。一束50枚、現在の用途は字や絵を描くなどである。また4月頃にある清明節にて墓に立てる為の飾りにも使用する。